スイスに本拠をおく、TDI(Transformational Defence Industries)社とアメリカ陸軍のピカティニー造兵廠の共同開発により生まれた短機関銃。
.45ACP弾は高いストッピングパワーと威力を誇る反面、発生する射撃時の反動も大きいため短機関銃での使用は難しいとされていた。しかしアメリカ陸軍は過去、作戦に投入した経歴のあるM1トンプソンやM10が比較的高い成果を挙げていることから、「大口径で低反動」な短機関銃をかねてから欲しており、軍内部でも長らく研究が続けられていた。
その結果、この問題への一つの回答として「クリス・スーパーV;KRISS Super V System(KSVS)」という反動吸収装置を開発、採用した。この装置は弾薬が発火した際に生じる爆圧を、ボルト部に取り付けられたV字型の可動ウェ
イトにより吸収するというものである。これによりリコイルショックが下方向へ変換される形になり、大口径弾の使用による銃身の跳ね上がりを抑制している。
さらに、リコイルのベクトルを腕と肩で一直線に受け止めるため、KSVSにグリップフレームがピギーバック式で覆い被さる特異なレイアウトとした。
これらにより、反動の低減・集弾性の向上・1100発/分以上という高い連射サイクルのコントロールを可能にしている。ピカティニー造兵廠が行ったH&K
MP5との比較ベンチテストでは9mmx19弾を使用するMP5に対して、銃口の跳ね上がりが90%減少し、感じるリコイルショックは60%少なかったという。
引用:古今東西あらゆるメディアに登場した銃火器データベース”MEDIAGUN DATABAVSE”
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